政府・災対本部 当面3ヶ月間の取り組み方針を決定

2011年5月20日、政府の緊急災害対策本部(第17回会議)は、本格的な復興の取組段階に至るまでの、当面3か月程度の間に国が取り組んでいく施策を取りまとめた、「東日本大震災に係る被災地における生活の平常化に向けた当面の取組方針」を決定しました。

東日本大震災に係る被災地における生活の平常化に向けた当面の取組方針(2011年5月20日)
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がれき撤去、8月末までに 政府、当面の方針決定

緊急災害対策本部の会合に臨む(左から)松本防災相、菅首相、枝野官房長官=20日午前、国会
緊急災害対策本部の会合に臨む(左から)松本防災相、菅首相、枝野官房長官=20日午前、国会

共同通信110520】東日本大震災で政府の緊急災害対策本部は20日、8月末までの居住地近くのがれき撤去など今後約3カ月間に政府が行う被災者支援策をまとめた「当面の取り組み方針」を決めた。菅直人首相は対策本部会合で、被災地の生活平常化に向けて自治体の取り組みを国として支援していく考えを強調、「各省庁で結果を出せるよう頑張ってほしい」と求めた。

 方針によると、被災者の日常生活を取り戻すため、避難所や居住地近くのがれきについて優先的に取り組み、8月末までにおおむね撤去。輸送を含め全国規模の処理体制を整備する。

 18日現在で全国約2400カ所ある避難所も8月中旬までに一部を除いて解消し、仮設住宅の建設や民間借り上げ住宅などへの2次避難を促進、希望者全員の入居を目指す。仮設住宅での高齢者や障害者への介護サービス確保のため、総合的なサポート施設やバリアフリー化した福祉仮設住宅の設置を支援する。

 また遠隔地に避難する場合は、コミュニティー維持に配慮するよう自治体に求める。両親を亡くした子どもは可能な限り親族が引き受けるよう調整する。医療についても、被災地外からの応援体制を維持するほか、仮設診療所などを整備し、被災した医療施設も速やかに復旧する。

 二次災害を防ぐため、被害を受けた河川の堤防は梅雨期までに、海岸は台風期までに応急処置。復旧事業などの雇用は地元を優先し、被災者の仕事を確保する。また、三陸沿岸部を結ぶ国道45号は9月中に迂回を解消し、本格的な復旧作業を始める。

 震災ボランティア活動が効果的に行われるよう各地のボランティアセンターの体制強化のための調整や情報提供を行う。

 

東日本大震災で当面の取り組み方針を決定- 政府・災対本部

キャリアブレイン110520】政府の緊急災害対策本部は5月20日、東日本大震災の被災地の生活の平常化に向けた今後3か月間の方針をまとめた。医療関連では、被災した岩手、宮城、 福島の3県からの医師などの派遣要請を踏まえ、関係団体と協力しながら継続的な医療提供体制を確保するとともに、薬などを確保するため、被災地以外の大学 病院の相互支援ネットワークを構築するとしている。
 医療関連では、保健師の巡回による健康相談などで、健康ニーズの把握や感染症予防の対策など、被災者の健康管理を継続的に行うほか、心のケアチームを引き続き派遣し、精神保健医療体制を回復・充実させるとした。
 さらに、地域医療再生基金を活用し、医療施設の整備や医療人材の確保に取り組む。また、仮設診療所(薬局併設を含む)や歯科巡回診療車を整備するとしている。
 介護関連では、雇用創出基金事業の活用などで、被災地における介護サービスに必要な人員を確保するとともに、孤独死を防止するための要援護者の見守り活動を行う。

 

8月中旬までに避難所解消に「?」 支援方針決定も政府内調整進まず

参院予算委員会でみんなの党の水野賢一氏の質問を聞く菅直人首相=20日午後、国会・参院第1委員会室(酒巻俊介撮影)
参院予算委員会でみんなの党の水野賢一氏の質問を聞く菅直人首相=20日午後、国会・参院第1委員会室(酒巻俊介撮影)

産経ニュース110521】政府の緊急災害対策本部(本部長・菅直人首相)は20日、東日本大震災をめぐり、今後、約 3カ月間に政府が実施すべき被災者の生活再建策を決めた。8月中旬までに大部分の避難所を解消するとともに、焦点のがれき処理は、被災者の居住地近くで優 先的に取り組み、同月末までにおおむね撤去する方針を盛り込んだ。ただ、政府内の調整は進んでおらず、設定した期限通りに実現できるかは不透明だ。

 方針は、「避難所などの生活環境の向上」など7項目からなり、被災者が日常の暮らしを早急に取り戻すための取り組みを明記した。特に「居住の支援」では、 お盆に当たる8月中旬までに希望者がすべて入居できるよう、岩手、宮城、福島3県に応急仮設住宅の用地確保を求めた。復旧事業などの雇用に際しては、地元 からの採用を優先することなども求めた。

 「がれきの処理」については、3県に具体的な処理方法を定めた実行計画を作成するよう要請。輸送を含め全国規模での処理体制を整備すべきだとの方針も打ち出した。

 もっとも、政府内では早くも混乱しているのが実情だ。

 がれき処理をめぐっては、仙谷由人官房副長官が8日、市町村に任せてきた処理制度を見直し、「国の直轄事業として進めたい」との考えを表明。だが、この唐突な発言に関係省庁が頭を抱えている。

 「直轄化は仙谷氏といろんな話をする中で出た話」(松本龍環境相)にすぎず、事前に検討・調整した形跡はないためだ。実際、環境省は「廃棄物処理法の改正や省庁間の調整に時間がかかる」と二の足を踏み、国土交通省や水産庁も「官邸側から指示はない」と困惑している。

 これに対し、被災地側はしびれをきらしており、宮城県の村井嘉浩知事は20日、首相官邸で菅首相と会い、一時的に仮置き場に集めたがれきの2次処理などを国直轄とするよう要請。首相は「まずは国と県、被災した町でしっかり話し合いたい」と応じただけだった。

 

債務の凍結・減免ふれず 政府が生活再建工程表を決定

しんぶん赤旗110521】政府の緊急災害対策本部(本部長・菅直人首相)は20日の会合で、東日本大震災による被災者の生活再建のため、今後3カ月間に実施する施策の工程表を「当面の取り組み方針」として決定しました。しかし、1次補正予算の範囲でとりうる施策を並べたにすぎず、被災者に復興への希望を与えるようなメッセージと具体的施策はみあたりません。

 生活再建と営業再開に向けては復旧事業による雇用創出や事業者への金融面での支援を掲げました。ところが、住宅全壊でも300万円にとどまる被災者生活再建支援金の引き上げや、商工業者・漁業者・農業者が共通して強く求めている債務の「凍結・減免」は一言もありません。

 被災した農地の復旧、漁港・漁場・養殖施設などの復旧を早急に行うと表明していますが、激甚災害法の範囲内。国による農地の一時的買い上げと整備、100%公費による漁船と養殖施設の再建など、踏み込んだ支援には一切触れませんでした。

 避難所の生活環境では、毎日温かい食事の出る避難所が60%(4月上旬)から73%になるなど「改善してきている」との認識。3割もの避難所で温かい食事が出ない現状をただちに解消するための方策を示しませんでした。

 仮設住宅に「いつ入れるか」と避難者が待ち望む中、岩手・宮城・福島に5月末までに約3万戸、8月半ばまでに追加で3万戸完成させるという、あまりに遅い目標を示しました。

 医療・福祉を確保するため、被災地外からの応援、仮設施設の設置、医療・介護施設の復旧を掲げましたが、具体的な見通しは明らかにしませんでした。

 被災地を結ぶ国道45号には仮橋を設置し、9月中をめどに広域迂回(うかい)を解消する見通しを示しました。がれきについては住居周辺から優先的に処理し、8月末をめどにおおむね撤去するとしています。

 二次災害防止のため、河川の氾濫や土砂崩れへの応急対策と、津波や地盤沈下で浸水した地域の排水や液状化対策を盛り込みました。